樒で棲み分け
仏壇には樒(しきみ)を、神棚には榊(さかき)をそれぞれお供える風習があります。
また、一般的にはお墓には樒を、神社には榊をそれぞれお供えします。
日本人は木の種類で棲み分けして、お参りのしきたりを作ってきました。
しかし、樒の実は植物で唯一、劇物に指定されていて、猛毒の成分を有し、食すると死亡に至ることもあり、鹿や猪も葉も食べません。
「悪しき実」から「シキミ」となったという説もあり、今まで主に仏事用に活用され屋敷の垣根には使用されてきませんでした。
しかし、しきたりを知らない有害鳥獣に頭を悩ます山村において、これを有害鳥獣防御の垣根に使ってはどうかと考えます。
樒の垣根で人里と鳥獣の住みかを再度、棲み分けし、お墓参り用にその樒を出荷するなんて一石二鳥の樒の活用も実験してみたい課題です。
空梅雨に 樒の新芽 香りたつ (呆悦)