農村の免許返上の危機
人生の 秋来たるらし ポポ落つる(呆悦)
庭先のポポ(ポーポー)の樹から果実が熟して音もなく落ちます。
ポポ(ポーポー)はドリアンやマンゴーのような果物で、北米原産でアケビガキとも呼ばれ熟すと落下し、その頃が食べ頃です。
熟すと表皮が黒ずんできますので、流通に乗りにくく、まさに地産地消の幻の果物です。
独特の匂いがあり人によっては好き嫌いがありますが、ネットリとした食感がいかにも栄養分の高さを窺える果物です。
ところで、高齢社会で高齢者の自動車事故が社会問題化し運転免許を返上する事例が増加しているようです。
しかし、過疎地の高齢者は返上率が都会に比べて低いようですが当然のこと思います。
過疎地の独居高齢者から車を取り上げると、公共交通機関の不便さから買い物や通院も困難になります。
事故多発防止と過疎地の高齢者の快適な移動手段のジレンマを解決する手法の模索が全国各地で行われいます。
「熟したポポは流通に乗りにくいため、自宅で消費する。」と同じように地域の宝の高齢者を自宅に閉じ込め社会から孤立させてはなりません。
そのためには、政府やメーカーは、高級な自動運転自動車の普及より「高齢者仕様の自動運転車(軽自動車など)」の普及にもっと力を入れてもらいたいものです。
あと20年後には自動車運転免許を返上し、ポポのように熟して庭先でひとり朽ちている姿を想像すると、過疎地の秋の夕暮れはひときわ淋しさを覚えます。