伝達する力~「8の字ダンス」~
真夏のような昨日の天気。
ジリジリと照りつける太陽に半袖の腕が黒く焼けます。
まるで真夏の気候の表現です。
そんな気候の影響もあってニホンミツバチの第2群目が金曜日に誘因巣箱に入りました。
いい天気のお蔭で分蜂が進んだのでしょう。
さて、ミツバチシリーズ第6段はミツバチの8の字ダンスの話です。
分蜂をした巣箱の門口を見ていると8の字を描くように規則正しく動く働き蜂がいます。
この動きは蜜源の在りかを仲間達に知らせる行動といわれ、これを「8の字ダンス」とよんでいます。
「あちらの先に花が咲いていますよ。みんなで蜜を採りにいきましょう。」と伝えているのです。
その方角も距離も8の字ダンスの描きかたで解るのです。
方角は太陽の位置と蜜源のある先の角度を8の字を描く向きで表し、距離は8の字の縦方向の長さで表しています。
「南南東1キロメートルのところに、たとえば菜の花が咲いています。」とのサインの8の字ダンスを一匹がすると、そのダンスを見た他の蜂達は一斉に飛び立ちます。
ミツバチの行動範囲は半径2キロメートルといわれ、その季節でそしてその地域で一番盛んに咲いているしかも近くの花に出向くのです。
なんと素晴らしい伝達方法なのでしょう。
人間には言葉と文字という伝達ツールを持ちながら、上手くコミュニケーションがとれないことでいろいろなトラブルが発生しています。嘆かわしい状況です。
ちなみに、養蜂家達が軽トラックで巣箱を運んでいるのはこのミツバチの行動原理に沿い同じ蜜源を求めて開花時期に合わせて北上するのです。
これを専門用語で「転飼」といいます。
専業の転飼する養蜂家はそうして純粋な蜜、桜蜜とか栃蜜とか、栗蜜とかを採集し販売するのです。
では、次回はミツバチが採集する蜜の話をしましょう。
昼下がり あくびす上に アケビ花(呆悦)