丹波ほっこり農園Blog

三和ぶどう、野菜、養蜂、加工食品

「一燈照隅 万燈照国」を思う。

f:id:tanba-hokkori-noen:20170816053704j:image

この前、あまりに暑いので、避暑がてらに休暇を利用して、比叡山にバイクで頂上まで登り、最澄が開いた延暦寺根本中堂にお参りしてきました。

開山から1200年も一度も絶やすことのなかった燭燈を拝んできました。


ドライブウェイのところどころには「一隅を照らす」の標識があります。

根本中堂の薄暗い一角を照らし続けた灯りのように一隅を照らし続ける努力により、遂には国全体を照らす力になるという意味でしょうか。

狭い地域で地道な小さな取り組みが、遂には評価されて各地で模範になり、全国的な取組に発展することは、よくあることです。

国家戦略特区の獣医学部新設で議論されている「今まで認められなかった固い岩盤にドリルで穴を開け、これが良ければ全国展開する。」というのとよく似ているようですね。

 兵庫県養父市の農業関係の特区は、評価は別としてあまりにも有名ですが、国家戦略特区の代表例です。

そもそも特区とは秀吉が行った「楽市楽座」の発想とは基本的には同じものだと思いますす。

一定の地域に限って特例で色々な規制を緩和したり免除したりして産業を伸ばしたり富を蓄積させたりすることです。

しかし、その対象地域はそもそもその特区事業がよく発達していることが前提とすべきでしょう。

今回の獣医学部の新設の件は、対象にした題材と対象地域を誤っているのではないでしょうか。

これまでも一生懸命、畜産振興に取り組み、全国的に見ても先駆的地域でさらに、この取り組みを伸ばすために、規制などを緩め、それが成功すれば後進的地域にも拡げることが本来の特区ではないでしょうか。

そもそも、お友達云々の前に、獣医師を増やす人材育成事業の規制緩和を国家戦略特区にしたことに戦略を誤ったと思います。

スピードで成果を焦るより、長年の地道な努力により成果をあげ、全国の隅々までいい取り組みとして拡げる「一燈照隅  万燈照国」の施策を、あまり期待せずに実現することを待っています。