散髪屋のような摘粒
散髪前
散髪後
丹波ほっこり農園の葡萄園に今年も多くの葡萄がなりました。
一房に200粒を超える粒が着いた房に一房ごとに鋏を入れて80粒程度にします。
この作業に要する時間は2分は掛かります。
バサバサと粒を落としていく様は散髪屋さんになったようです。
葡萄の房は男前のものや不細工なもの、形の良いものやどうしようもないものもあり、それぞれ人間の顔や頭と同様に個性があります。
カシャカシャと鋏を鳴らしながら逆三角形の房をイメージしながら速やかに鋏を入れて行います。
この作業を12,000房行います。力は要りませんが根気との闘いです。
三人で毎日行っても2週間は掛かる一番手間のいる作業です。
葡萄の販売単価が高くなるのも、この手間のいる作業のためです。
青ぶどう ひと雨毎に 太りけり (呆悦)
ミツバチのお引っ越し
ミツバチの第7話です。
先週の月曜日と木曜日に二群の巣箱を引っ越ししました。
誘導巣箱は下が切株をくり貫いたものに重箱一段を載せたハイブリッド巣箱でしたが、引っ越し先の巣箱は写真のとおり重箱を4段にしたものです。
後の採蜜の作業が簡単にできるために重箱だけの巣箱にします。
夜になって辺りが暗くなって、働き蜂が巣箱に帰ってきたら巣箱の入り口に蓋をして誘導巣箱全体を移動します。
なぜ、引っ越しさせるのか。
そのまま、誘導巣箱で現地においておくのも構いませんが、蜂蜜が大好物の熊が出没するような場所は蜜が貯まってきたら危険です。
1 熊が出没しないであろうところ、2 定期的に点検しやすいところ、3 蜜源が近くにあるところ、4 南側に開けて西陽が当たらないところ、5 近くにミツバチの水飲み場があるところなどの条件に合致するところに引っ越ししてもらいます。
なぜ、夜に引っ越しさせるのか。まるで夜逃げみたい。
そうなんです。夜逃げのようですね。しかし、働蜂が巣箱に全て帰ってきた後でないと引っ越しできません。
明るい間は働き蜂は真面目に働き続けますす。
人間の働き方の在りかたが今国会のテーマになっているようです。
本来、人間も農業を中心に陽が昇りはじめてから陽が沈むまでの間に働き、暗くなったら
明日の労働のためにゆっくり休むのが自然の節理に沿った働き方でした。
しかし、エネルギーの開発やサービスの多様化により、人間は昼夜関係なく働くようになりました。
そんな働き方は人間の本来の営みにとっては良くないのでしょうね。
ミツバチの話に戻りましょう。
夜の暗い時に巣箱を長距離、移動させても問題ではありませんが、昼間に巣箱の入り口を10㎝だけ動かしただけで蜂達は混乱して、巣箱に帰って来ないこともあります。
8の字ダンスで蜜源の在りかを仲間に知らせるという話を前回しましたが、それだけ方角に精緻で敏感な生き物なのです。
山々を 淡き緑に 塗り替えり(呆悦)
消し去ろうとする文化
コンビニで用達しをしようとすると、いわゆる「音姫」が奏でだしました。
清らかな♪で聞かれたくない音を消し去ろうとします。
体や車内や部屋の匂いも芳香剤でこれも消し去ろうとします。
また、都合の悪い事柄は記録を消し去ろうとします。
これらは実は消し去るのではなく上乗せ、上書きして、汚い、都合の悪い事柄を隠そうとしているのではないでしょうか。
明らかにされたくないもの、汚いもの、都合が悪い事柄は上乗せ、上書きするのではなく、元から絶たなければ消え去ることはできません。
春は庭先の雑草の処理に手間が掛かります。
庭に芽を出した草をひいてもその地中深く根付いている根を取り除かないと二三日で、また芽を出してきます。
草引きの作業をしながら元から絶たなければ何事も解決しないとつくずく思う今年の春です。
良い雨と 農婦つぶやき 鍬をおく(呆悦)
伝達する力~「8の字ダンス」~
真夏のような昨日の天気。
ジリジリと照りつける太陽に半袖の腕が黒く焼けます。
まるで真夏の気候の表現です。
そんな気候の影響もあってニホンミツバチの第2群目が金曜日に誘因巣箱に入りました。
いい天気のお蔭で分蜂が進んだのでしょう。
さて、ミツバチシリーズ第6段はミツバチの8の字ダンスの話です。
分蜂をした巣箱の門口を見ていると8の字を描くように規則正しく動く働き蜂がいます。
この動きは蜜源の在りかを仲間達に知らせる行動といわれ、これを「8の字ダンス」とよんでいます。
「あちらの先に花が咲いていますよ。みんなで蜜を採りにいきましょう。」と伝えているのです。
その方角も距離も8の字ダンスの描きかたで解るのです。
方角は太陽の位置と蜜源のある先の角度を8の字を描く向きで表し、距離は8の字の縦方向の長さで表しています。
「南南東1キロメートルのところに、たとえば菜の花が咲いています。」とのサインの8の字ダンスを一匹がすると、そのダンスを見た他の蜂達は一斉に飛び立ちます。
ミツバチの行動範囲は半径2キロメートルといわれ、その季節でそしてその地域で一番盛んに咲いているしかも近くの花に出向くのです。
なんと素晴らしい伝達方法なのでしょう。
人間には言葉と文字という伝達ツールを持ちながら、上手くコミュニケーションがとれないことでいろいろなトラブルが発生しています。嘆かわしい状況です。
ちなみに、養蜂家達が軽トラックで巣箱を運んでいるのはこのミツバチの行動原理に沿い同じ蜜源を求めて開花時期に合わせて北上するのです。
これを専門用語で「転飼」といいます。
専業の転飼する養蜂家はそうして純粋な蜜、桜蜜とか栃蜜とか、栗蜜とかを採集し販売するのです。
では、次回はミツバチが採集する蜜の話をしましょう。
昼下がり あくびす上に アケビ花(呆悦)
季節に敏感なミツバチ
今日、やっとニホンミツバチが分蜂して誘因巣箱に入りました。
この間、2週間ぐらい偵察していましたが、この2、3日は暖房がほしい日が続き、分蜂が延び延びになっていました。
今日は昨夜の雨が上がり、昼からは晴天になり気温も平年並みになり絶好の「分蜂日和」になりました。
自然界の営みは自然の節理に則り素直に動きます。
我々の人間の行動も自然の節理に沿って素直に暮らしたいものです。
しかし、今の政府の動きは一小市民からみれば、自分達の保身や利益、名誉のために恥も外聞もかなぐり捨てて行動しています。
イライラ感が残り、あきれ返る状況です。
こんな国の姿になぜなったのでしょうか。
ひとつの原因には、絶対権力者に対する表向きの服従とそれに背くと二度と陽の目をみない仕打ちの恐怖感が潜んでいるためではないでしょうか。
それは本来の意味の「忖度」ではありません。
ミツバチの世界に戻りましょう。
その他の働き蜂などが定められた行動するのは、たった一匹の女王蜂の命令で動いているのではないのです。
女王蜂は指示しません。
では、どうして彼らは規律ある行動を取れるのか。
未だに謎とされていますが、わたしは「巣の精神」によって規律が成り立っていると考えています。
我々の人間社会も誰に命令されるのではなく「集団の精神」が民主的に形成され、自然と各々が規律をもって自然の節理に沿って行動できる社会になって欲しいと切に望むものです。
躑躅の ちらほらと咲く 雨上り(呆悦)