黒豆を「扱く(こく)」
おせち料理に欠かせない黒豆。
年末に出荷するために作業に入りました。
枝に付いた豆を落とすために、無数の掛が取り付けてある木製のドラムを足で踏んで回転させ穀物を扱く(こ)く「イナコキ機」(写真左)を使います。
そして、鞘と一緒になった豆を選り分けるために、板でできたファンの如しを手で回し、鞘やごみは吹き飛ばし、黒豆だけをトレイに落とすふるい機能の「唐箕(とうみ)」(写真右)を使います。
いずれも人力農具で、骨董品クラスの代物です。
近所の農家の蔵に保管されていたものを拝借されてもらいました。
人力なので時間と労力は掛かりますが、懐かしさで疲れを忘れさせてくれます。
昭和40年代まではどこの農家にもなくてはならない必須のアイテムでした。農繁期には家族総出でイナコキやマメコキをしたものでした。
この作業で選別された黒豆を次に、くず豆を取り除く作業をして、大きさを揃えてやっと出荷できます。
大規模農家では全て近代的な農業機械で処理しますが、全ての作業を木製の農具でこなすことによって、何となく温もりがあり、やさしい味のある商品になるのではないかと思っています。
正月には、丹波ほっこり農園の丹波の黒豆をご賞味頂き、元気に暮らせる新年にしていただけるよう年末まで作業に励みます。
極月や 豆をこく間に 雪積り (呆悦)